注目の作家
江田 蕙
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日本古来の鉄で手掛ける現代の金工
砂鉄を炭で精錬する日本古来の方法で精製された鉄、和銑(わずく)。金工作家・江田蕙(えだけい)はこの和銑にこだわり、茶釜や鉄瓶を制作しています。国内唯一とされる砂鉄風鈴「松笠風鈴」も手掛け、その製法は一子相伝、門外不出とされています。「伝統技法を用いながら現代性を感じる作品を目指している」と自らが語るとおり、モダンなたたずまいが魅力的な江田の作品。日本を代表する金工作家が集う日本伝統金工展などで数々の受賞を誇り、海外のコレクターからも注目を集めています。
詳細を見る武関 翠篁
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竹の声に寄り添った作品づくり
祖父の代から続く竹工芸作家の家に生まれた武関翠篁(ぶせきすいこう)。祖父、父のもとで学んだ後に人間国宝の飯塚小玕斎(いいづかしょうかんさい)に師事し、竹工芸作家の道に進みました。種類や生育地によってさまざまな表情を持つ竹。武関は、“竹の声”に耳を研ぎ澄ませ、繊細な素材の美しさが表現された作品を制作しています。しなやかで丈夫な竹を芸術へと昇華させた武関の作品は、工芸分野における国内最高峰の展覧会で数々の賞を獲得。作品はメトロポリタン美術館やスコットランド国立美術館など、世界の名だたる美術館にも収蔵され、国内外から高い評価を得ています。
詳細を見る小川 郁子
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研鑽された技で切り開く切子の未来
200年ほどの歴史を持つ東京の伝統工芸、江戸切子。その技が受け継がれる江東区で育ったガラス作家 小川郁子は大学卒業後、江戸切子の第一人者であった小林英夫に師事しました。9年間の修業を経て師の技と精神を受け継いだ小川は、伝統の技を守りながらも時代に即した表現で切子の世界に新しい風を吹かせています。小川の作品は、大胆なカットと繊細な文様を融合させたアシンメトリーなデザインが特徴。華やかで上品な江戸切子の魅力を残したまま、さらに洗練された空気をまとった作品は国内外を問わず高い注目を集めています。
詳細を見る上野 明弘
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能登の自然を作品に表現
600年ほど前に中国大陸から伝わり、石川県輪島で発展した漆芸技法「沈金」。塗り上がった漆の面に、鑿(のみ)や刀(とう)で彫った線や点に金箔や細かい金粉をすり込み、繊細な模様を表現する伝統技法です。漆芸作家・上野明弘はこの沈金の技で野鳥や植物を描き、国内外にファンを増やしています。石川県七尾市に工房を構えていた上野は、2024年1月の能登半島地震で被災しましたが、「残酷で美しい自然に生かされている能登ですが、これからもここで作品を作り発表していきたい」と作品制作に励んでいます。
詳細を見る宮本 貞治
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木工芸の技を尽くした作品づくり
木工作家・宮本貞治は2023年に木工芸の分野で人間国宝に認定されました。20歳で黒田乾吉(黒田辰秋の長男)に師事し、10年の修業期間を経て30歳で独立。滋賀県大津市に工房を構えました。その後、日本伝統工芸展などで受賞を重ね、2013年には芸術分野功労者に贈られる紫綬褒章も授与されています。宮本の作品の特徴の一つ、波を想起させる流れるような彫り。これは琵琶湖での船の跡にできる波に着想を得たといいます。釘などを使わずに組み立てる指物、木の塊を彫り込んで作る刳物、木目を美しく浮かび上がらせる拭漆(ふきうるし)、稜線を生かした彫りなど、卓越した技で木の個性を活かしながら作品を生み出しています。
詳細を見る五代 伊藤赤水
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無名異焼の唯一無二の表現を追求
佐渡金銀山の金鉱脈付近に産出する無名異という赤土を使ったやきものである無名異焼(むみょういやき)。江戸時代から続く無名異焼の窯元・赤水窯の五代目伊藤赤水は、佐渡島に受け継がれてきた伝統を重んじながらもこれまでにない独自の表現を確立し、2003年に「無名異焼」の人間国宝に認定されました。赤と黒の境界線が独特の表情を見せる「窯変(ようへん)」、異なる色の土を練り合わせて模様を生み出す「練上(ねりあげ)」、佐渡島特有の岩石を用いた荒々しい質感の「佐渡ヶ島」。自身を代表するこれらのシリーズの作品は、メトロポリタン美術館などの有名博物館、美術館に収蔵され、国内外で高く評価されています。2024年には新たに「伊藤赤儘(せきじん)」を号し、作陶を始めてから60年近く経った現在も精力的に活動を続けています。
詳細を見る北岡 省三
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繊細なグラデーションで表現する香川漆芸の技
人間国宝であった音丸耕堂のもとで香川漆芸の技を学んだ漆芸作家、北岡省三。日本を代表する漆芸作家が集う第42回日本伝統漆芸展において、最高賞である文部科学大臣賞を受賞しました。数百回塗り重ねられた色漆の層を彫ることで、文様と繊細なグラデーションを表現する彫漆という伝統技法を得意とする北岡。従来の彫漆にはなかった、叩き塗りでの点描を用いて重ね塗りすることで、よりやわらかい色彩表現にも挑み続けています。北岡の作品は過去に海外の展覧会へ招待出品されるなど、国内外から高い評価を得ています。
詳細を見る奥井 美奈
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人々の心に寄り添う清らかな漆
漆で麻布を一層一層貼り重ねることで形を作り出す乾漆技法で、自由な造形を表現する漆芸作家・奥井美奈。ゆるやかな曲線と、その魅力を引き立てるような漆の滑らかな艶が美しい奥井の作品は、第64回日本伝統工芸展(2017年)での日本工芸会総裁賞をはじめ、数々の賞を獲得。2020年には芸術分野の功労者に贈られる紫綬褒章を受章し、高い注目を集めました。「人が心地よく感じる美しい形を作りたい」と語る奥井。見るものの心に寄り添うような作品は、国内外の多くのファンを魅了しています。
詳細を見る高橋 朋子
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金彩の技を現代の陶芸に昇華
金・銀箔で美しい文様を表現する金彩・銀彩の技法で作陶を続ける陶芸作家 高橋朋子。月をテーマにした独特の世界観の作品が人気を博しています。高橋は、人間国宝から気鋭の若手作家の作品が一堂に会する国内最高峰の公募展、第71回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞。日本伝統工芸展では初の受賞となりましたが、現代陶芸の注目作家が集う菊池ビエンナーレや現代茶陶展などでも数々の受賞を誇る実力派です。
詳細を見る藤川 耕生
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伝統の技を作品で融合
第71回日本伝統工芸展で日本工芸会新人賞を受賞した金工作家 藤川耕生。藤川は熊本(肥後象眼)、石川(加賀象嵌)、京都(錺仕事(かざりしごと))、東京(東京銀器)といった伝統的な金工の技が受け継がれる地で技術を学び、それらを融合した作品を制作しています。精緻な装飾が施された作品は、日本伝統工芸展での受賞に裏打ちされるように、国内外から注目を集めています。
詳細を見る尾﨑 久乃
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精緻な技で魅せる手描友禅の世界
白生地に糊で輪郭を描き、筆で丁寧に染め上げることで緻密な模様を表現する手描友禅。友禅作家 尾﨑久乃は、輪郭を白く浮かび上がらせる糸目糊と、色の重なりを表現するロウケツ染めを駆使して制作を行います。水彩画のような色の奥行きが美しい作品は高く評価され、第71回日本伝統工芸展では日本工芸会奨励賞を受賞しました。伝統の技を守りながらも独自の表現を追求する尾﨑の作品が、友禅の世界に新しい風を吹かせています。
詳細を見る井戸川 豊
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いまに伝える伝統の技と美
身近なモチーフを優しい色づかいと質感で表現する陶芸作家 井戸川豊。粉末状の銀を溶いた銀泥を磁器に施した作品は、瑞々しさを感じさせるような透明感のある光沢が魅力です。2024年の第71回日本伝統工芸展では日本工芸会保持者賞を受賞し、さらなる注目を集めています。教育者、研究者としての顔も持つ井戸川。現在は広島大学で教授を務め、培った技術とともに伝統工芸の素晴らしさを次世代へ受け継いでいます。
詳細を見る遠藤 あけみ
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リズミカルに表現する型絵染の世界
模様を彫った型紙で絵柄を染める型絵染。図案を描き、型を彫り、染めまでの一連の工程を作家自らが行います。植物や自然の風景を連続した模様に落とし込み、独自の世界観を表現する型絵染作家 遠藤あけみ。人間国宝から若手作家までが集う日本伝統工芸染織展では数々の受賞歴を誇り、国内最高レベルの公募展である第71回日本伝統工芸展では東京都知事賞を受賞しました。青や緑を基調とした色彩とリズミカルに配された型絵染めの模様が着物をまとう人々を彩ります。
詳細を見る十六代 小原治五右衛門
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代々受け継がれる一子相伝の技
富山県の城端(じょうはな)で安土桃山時代から受け継がれ、一子相伝とされる城端蒔絵。「蒔絵」といっても漆を塗った部分に金粉を蒔く一般的な技法とは違い、秘伝の白蒔絵法と鮮やかな色漆を使って絵柄を描くことが特徴です。この城端蒔絵を現代に受け継ぐ十六代 小原治五右衛門。小原は国内最高峰の技を持つ作家が集う第71回日本伝統工芸展で日本工芸会新人賞を受賞しました。文化財保存修復に従事するほか、国内外での展覧会や講演会にも積極的に参画し、日本の漆芸の継承・発展に努めています。
詳細を見る松崎 森平
漆芸の未来を担う熱き表現者
2024年の第71回日本伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞した漆芸作家・松崎森平。螺鈿や蒔絵といった漆芸の伝統的な装飾技法を用いた作品を制作しています。東京藝術大学大学院を修了後、同大学で助手・非常勤講師を歴任。2021年には沖縄県に拠点を移し、さらに技法の研究を深めています。活躍の場は伝統工芸の分野にとどまらず、漆芸の技法を用いた絵画作品でも高い評価を獲得。現代に即した感覚で漆芸の新たな可能性を探求する姿勢が注目を集めています。
詳細を見る角間 泰憲
精巧な技で魅せる木目の美
2024年の第71回日本伝統工芸展で文部科学大臣賞を受賞した木工作家・角間泰憲。角間は木工の伝統技法である指物(さしもの)を得意とし、釘などを使わず、木と木が合わさる部分を見せないように組み立てられた作品は見事です。使用する木材は、神代杉や神代欅(けやき)と呼ばれる地中や水中から発見された古い樹木や、美しい紅褐色が特徴的な一位(いちい)など。細部に美意識が宿ったシンプルなたたずまいと、木の美しさを引き出す造形美で見る者を魅了します。
詳細を見る原 智
金属の美しさを伝統技法と独自表現で昇華
一枚の金属の板をたたいて造形する鍛金に、魚々子象嵌(ななこぞうがん)という独自技法を取り入れ作品を制作する金工作家、原智。人間国宝から気鋭の若手作家までが集う第71回日本伝統工芸展で、最高賞の日本工芸会総裁賞を受賞しました。一見すると器の表面だけに色付けされたように見える線や点には、ボディとは違う種類の金属を嵌め込む象嵌という高度な技術が使われています。原はその象嵌に古くから伝わる魚々子という連続した円を刻む彫金の技法を融合させ、他に類をみない表現技法を生み出しました。一寸の狂いも許されない精緻なデザインが施された作品は、海外の美術館にも収蔵されています。
詳細を見る市川 正人
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木工芸の美意識の世界
木工作家・市川正人は、木と木の部材を組み合わせて作る指物という技法を中心に作品を制作しています。独学で指物を始めたという市川ですが、さまざまな展覧会への出品を重ね、2014年には、日本を代表する工芸作家が集う日本伝統工芸展で日本工芸会新人賞を受賞。木の素材の美しさを生かすため細部まで気配りが行き届いた作品で高い評価を得ています。近年は、木材の色に着目し、鮮やかで美しい色彩の木材を貼り合わせ文様を作る木画の技法も取り入れ、ますます表現の幅を広げています。
詳細を見る大槻 洋介
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色ガラスで表現する記憶の彩り
2021年、国内最高レベルのガラスや七宝作家が集う伝統工芸諸工芸展で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した大槻洋介。2020年には作品が宮内庁に買い上げられています。大槻は記憶の中に残されている思い出の光や風、香りを何色もの彩りによって表現しています。色の違うガラスのパーツを溶着して創り出した色ガラスの層を、丹念に削ることで美しい造形を生み出す独自の手法で、今まさに注目を集めているガラス作家のひとりです。
詳細を見る大角 幸枝
自然のうつろいを柔らかな輝きで表現
金工作家・大角幸枝は、人間国宝であった鹿島一谷や関谷四郎、桂盛行に師事し、金属をたたいて成形する鍛金の技法や、彫金、布目象嵌といわれる金属の装飾技法を学びました。波や雲などをモチーフとした有機的なデザインと金属の素材を美しく融合させた作品は、国内最高峰の作品が集う日本伝統工芸展で数々の賞を獲得。その卓越した技術が評価され、2015年には鍛金の分野で人間国宝に認定されました。作品は、メトロポリタン美術館をはじめ国内外の数多くの美術館に所蔵され、世界の第一線で日本の金工の魅力を伝えています。
詳細を見る松枝 小夜子
手仕事の極致
国の重要無形文化財に指定されている久留米絣。松枝小夜子はその久留米絣の括りと織りの技術保持者に認定されています。1882年に織屋として始まった松枝家は小夜子の夫である哲哉で5代目となりましたが哲也は2020年に他界。現在は息子の崇弘とともに伝統の技の継承に努めています。多様な文様を絵のように織った絵絣が松枝家の特徴で、花や鳥といった文様をデザインに起こし、経糸(たていと)と緯糸を括って天然藍で染めます。手括りは時には数千にも及ぶといわれますが、正確に括り染められた糸を使って美しい文様が狂いなく手機(てばた)で織られる技術は圧巻です。
詳細を見る和泉 香織
世界の技との競演
日本の伝統的な切子技法とベネチアングラスの伝統的なレースガラスの技法を巧みに使い、重厚感ある作品を生み出すガラス作家・和泉香織。和泉は大学卒業後に国内外でガラス工芸についての技術を学び、2021年の東日本伝統工芸展では日本工芸会賞を受賞しました。クリアなガラスの内側には繊細なレースを思わせる色ガラスのラインが螺旋状に重なり、外側には大胆なカットが施されることで一般的な切子作品にはない美しさが表現されています。レースガラスの精緻な美しさとカットガラスのシャープさは和泉の作品ならではの特徴です。
詳細を見る中村 佳睦
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仏教美術の精神を現代の作品に昇華
金箔を使った技法である截金(きりかね)は、6世紀ごろに大陸から日本へ伝えられ、主に仏像や仏画などを装飾する技法として継承されてきました。截金作家・中村佳睦は、仏像や仏画の制作のみならず、截金の新たな可能性を求めてさまざまな作品を制作しています。自然の情景をモチーフに、線状に細かく截(き)った金箔で繊細に表現された作品は、国内最高峰の技術を持った工芸作家が集う展覧会でも高い評価を獲得し、さまざまの賞を受賞。千年以上続く伝統に支えられた技法を現代に昇華した中村の作品は、見る人の心に安らぎをもたらしています。
詳細を見る神垣 夏子
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見るものに語りかける作品づくり
竹ひごを編み漆で固めた素地に溝を彫り、色漆を塗り込み磨くことで美しい文様を描く漆芸の技法「籃胎蒟醬(らんたいきんま)」。その漆芸の伝統技法を体得した神垣夏子は、国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展で、日本工芸会新人賞を皮切りに入選・受賞を重ね、高い評価と注目を集めています。色彩豊かな色漆で、色の変化や重なりを繊細に表現した神垣の作品は、見るものを作品の世界に引き込むような独特の存在感が魅力。伝統の技を継承しながらも、自分だけの新たな表現に挑戦する神垣の今後にますます期待が高まります。
詳細を見る岡田 裕
伝統を生かした新たな表現
江戸時代から続く萩焼の窯元岡田窯。岡田裕はその歴史ある窯元の八代目。作品は東京国立近代美術館をはじめとする有名美術館に収蔵されています。萩特有の白の藁灰釉を使った作品のほか、シルクロードの旅から着想を得たという炎が揺らぐ様を作品に投影した炎彩(えんさい)シリーズは、萩の土の発色を生かしながらも独自性を表現した自身の代表作となりました。4部屋ある登り窯には年に数回火を入れて大小さまざまな作品を焼きますが、納得のいく作品は4割ほどだといいます。伝統的な素材や技法を使いながらもそれだけにとらわれず、作陶歴50年を超える現在も新たな挑戦を続けています。
詳細を見る調 喜美子
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編みと組みで見せる独自の美
竹工芸における初の人間国宝、生野祥雲斎を輩出した大分県で竹工芸と出会い、竹工作家の道に進んだ調喜美子(しらべきみこ)。日本伝統工芸展をはじめ数々の伝統工芸展で入選を重ねているほか、第43回山口伝統工芸展(2020年)及び、第46回山口伝統工芸展(2023年)では日本工芸会山口支部長賞を受賞しています。調は生野の弟子である田辺幸竹斎に長年師事。伝統的な竹工芸の編み・組みの技法を学んだほか、勝城蒼鳳(人間国宝)からは把ね編みの技法も学びました。現在はそれらの技法を組み合わせて独自の表現に挑戦し、さらなる美しい竹工芸に期待が集まります。
詳細を見る荒川 文彦
卓越した技で漆の美を追求
山中塗の産地である石川県加賀市の山中温泉地区で作品制作に取り組む漆芸作家・荒川文彦。山中塗といえば木目を生かした木地が特徴ですが、荒川は髹漆(きゅうしつ)という技法を用いた、漆の美しさを引き出す作品で高い評価を得ています。人間国宝から新鋭作家まで、国内最高レベルの漆芸作家の作品が集う日本伝統漆芸展では、1994年に初入選して以降、数々の受賞歴を誇ります。荒川はその卓越した技術で、漆本来の艶を生かした滑らかな質感を表現。漆の持つ豊かな表情から、作品の深淵な魅力を感じさせます。
詳細を見る坂本 章
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自由な発想で新たな青瓷を追求
陶芸家の坂本章は、民藝の窯元として広く知られる因州・中井窯の3代目。30代で日本民藝館展の最高賞である日本民藝館賞を受賞するなど民藝の頂点に立った坂本は、40代半ばで伝統工芸の世界への挑戦を決意。現在は民藝の職人と青瓷(せいじ)作家の二刀流で制作をしています。作家としては、種類の異なる釉薬を重ねる掛分という技法を青瓷に取り入れ、ほかにはない自分の表現を追求。国内最高峰の作家の作品が集う公募展で入選や受賞を重ね、2023年には鳥取県が指定する無形文化財「陶芸」保持者に認定されました。今はまだ発展途上だと語る坂本。常識にとらわれず、試行錯誤を重ねながら挑戦を続ける姿に、多くの人々が注目しています。
詳細を見る川口 清三
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刳物で表現する造形と木目の美
ノミやカンナで木の塊を削り出して形をつくる刳物(くりもの)。木工作家 川口清三は刳物技法で自由な造形と美しい木目を生かした作品を制作しています。川口は数多くの伝統工芸の展覧会での受賞歴を誇り、人間国宝をはじめ日本を代表する木工作家が集う伝統工芸木竹展(2021年)で最高賞である文部科学大臣賞を受賞。また、2020年には芸術分野功労者に贈られる紫綬褒章も授与されています。川口が生み出す造形美は、拭き漆といわれる工程を重ね深みを増した木目と相まって、生き生きとした表情を魅せてくれます。
詳細を見る鈴木 藏
志野焼の大家
59歳のときに志野の分野で人間国宝に認定された陶芸家 鈴木藏(おさむ)。2024年には卒寿を迎え、現役陶芸家としては最も長い間、重要無形文化財保持者として作陶を続けています。窯業技師であった父の仕事を手伝いながら、自らも陶芸の道に進み独立。30代のころには、薪窯でしか焼けないといわれていた志野焼においてガス窯での焼成に挑戦し、その技術を確立していきました。時代に合ったやきもの作りに挑み続け、現在も精力的に活動を続けています。
詳細を見る吉田 幸央
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伝統的な金襴手を独自表現に昇華
明治期から続く九谷焼の窯元・錦山窯の四代目吉田幸央。2010年に国内最高峰の公募展である日本伝統工芸展で高松宮記念賞を受賞し、東京国立博物館や東京国立近代美術館などで開催された工芸美術の展覧会でも幾度となく作品が展示されています。金粉や金箔を使った金襴手(きんらんで)という技法にさまざまな工夫を加え、独自表現を常に意識してきたという吉田。ひんやりとした表情の磁器に、まるで水彩画のように塗り重ねられた美しい色彩と華やかさが生きる作風は圧巻です。2024年1月の能登半島地震により石川県にある工房も被災しましたが、陶芸家である家族5人が無事でいられることの幸せを思いながら作陶を続けています。
詳細を見る松原 弘明
巧みな彫漆技法で新たな表現に挑戦
江戸時代から漆芸の伝統が息づく香川の地で生まれ育った松原弘明。漆芸家の北岡省三、人間国宝の音丸耕堂に師事し、香川漆芸の技法のひとつである彫漆(ちょうしつ)を学びました。彫漆は、何度も塗り重ねた色漆の層に彫刻を施し、文様を表現する高度な技法です。身近な動物や植物などの自然をモチーフに制作するという松原。伝統の技を用いて、新たな表現に挑戦する姿勢は高く評価され、日本を代表する漆芸作家が集結する日本伝統漆芸展において数々の受賞歴を誇ります。現在は香川県漆芸研究所の指導員を務めるなど、後進の指導にも尽力しています。
詳細を見る伴野 崇
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
朱と黒の静謐な世界
漆芸作家・伴野崇は、数多くの漆職人を輩出する石川県立輪島漆芸技術研修所で学んだ後、人間国宝である小森邦衞に師事しました。国内最高峰の漆芸作家が一同に集う日本伝統漆芸展での朝日新聞社賞(2015年)を皮切りに受賞を重ね、今年の第41回日本伝統漆芸展では最高賞である文部科学大臣賞を受賞しました。伴野の作品は、漆の艶やかな質感と、朱と黒のコントラストが特徴。日本で脈々と続く漆の伝統を受け継ぎ、その魅力を後世に伝えたいという思いで制作に励む若き作家の姿に、多くの人々が注目しています。
詳細を見る原 清
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
鉄釉で築く独自の世界
18歳で陶芸の道に入って以来70年間その道を歩み続け、今もなお精力的に制作に取り組む陶芸家、原清。釉薬中の鉄分を黒や褐色に発色させる鉄釉という技法を使い、雄大な大地を走る馬や可憐に咲く草花を表現する作風が特に印象的です。石黒宗麿、清水卯一という鉄釉陶器を代表する二人の人間国宝を師に仰ぎ、自身も2005年に「鉄釉陶器」の分野で人間国宝に認定されました。収蔵:島根県立美術館、茨城県陶芸美術館、近代美術館その他。
詳細を見る鈴田 清人
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佐賀に伝わる技の継承
木版と型紙を使い柄や色を染める木版摺更紗(もくはんずりさらさ)の作品で、第70回日本伝統工芸展にて日本工芸会新人賞を受賞した鈴田清人。木版摺更紗の分野で人間国宝に認定されている父・滋人に師事し、一度は途絶えてしまった「鍋島更紗」の技を木版摺更紗として現代に受け継いでいます。木版摺更紗は数種類の小さな木版の向きや、型紙との組み合わせを変えながら色付けすることで多様な文様を生み出します。すべて手作業で版を摺り色付けをしているため、緻密でありながらも変化を感じることができます。木版と型紙だからこそできる表現や更紗の魅力を目指している、と語る鈴田。若き才能に今後の注目が集まっています。
詳細を見る植田 千香子
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
伝統技法で生み出す神秘的な輝き
金工作家・植田千香子は生まれ育った京都の町で、板状の金属を金づちでたたき形を作る鍛金(たんきん)という伝統技法で作品制作を続けています。父である金工作家・参稔氏に学び、国内最高峰の作家の作品が集う日本伝統工芸展では2005年に初入選、昨年第70回の節目の年に日本工芸会新人賞を受賞しました。温もりを感じられる作品を心がけているという植田。シリーズとして制作に取り組む月夜に照らされる海の生き物がモチーフの作品は、神秘的な輝きを放ちながらも見る者を童心に帰らせるような魅力を秘めています。
詳細を見る宇佐美 成治
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
独自の技法で柔らかな光を表現
2023年に第70回日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞した陶芸作家・宇佐美成治。宇佐美は、武蔵野美術大学を卒業後、大手家電メーカーの工業デザイナーとして活躍し、グッドデザイン賞も多数受賞しています。定年退職後に陶芸を本格的に学び、2017年には日本伝統工芸展で、初入選にして日本工芸会会長賞を受賞しました。透過性のある化粧土を重ねた宇佐美の作品は、全体として淡い色調でありながらも、色とりどりの色彩を持っています。優しい色使いの中に、どこか力強さを感じさせる独特な世界観で、見る人を飽きさせません。
詳細を見る北岡 道代
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
香川漆芸に新たな風を吹かせる
2023年に第70回日本伝統工芸展で日本工芸会新人賞を受賞した漆芸作家、北岡道代。点や線で彫った溝に色漆を埋め込み、研ぎ出すことで文様を表現する蒟醤(きんま)という技法を得意とし、自身が見た自然の風景をモチーフに作品を制作しています。鮮やかな色彩の色漆による繊細かつ大胆な表現は、見る者を作品の世界に引き込みます。伝統の技を用いながら、自由な発想で生み出される北岡の作品は、ますます注目を集めています。
詳細を見る松本 育祥
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
鋳金の技を受け継ぐ若き鋳物師(いもじ)
金属工芸の一種、金属を溶かして造形する鋳金の技法を使った作品で第70回日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞を受賞した金工作家 松本育祥(やすよし)。松本は東京都荒川区に明治時代から続く堀川鋳金所の4代目。紫銅や朱銅、朧銀などの色味と独特な造形が特徴的で、日本最高峰の技術を持った金工作家が集う伝統工芸日本金工展での新人賞(2015年)を皮切りに受賞を重ね、若手金工作家としての評価を高めています。
詳細を見る藤野 聖子
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
千年以上続く技を次世代へ
仏像や仏画などを美しく飾る技法として6世紀ごろに大陸から日本へ伝えられた截金(きりかね)。竹製の刀で細く截(き)った金箔を、両手に持った二本の筆で貼りつないで文様を描きます。截金作家・藤野聖子は第70回日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞しました。自然をモチーフにした語りかけたくなるような作品、そして次世代へと続く作品を目指して制作していると語る藤野。優しい色合いに輝く繊細な文様が見る者の心を魅了しています。
詳細を見る奥村 公規
金工の伝統技法で現代的に表現
第70回日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞した金工作家・奥村公規。日本に古くから伝わる文化財の修復、復元に携わる中で金工の技を磨きました。銅と銀の合金の四分一(しぶいち)など、独自に配合した金属の素材で、一見すると金属とは思えないようなどこか温かみのある質感を表現。伝統的な技法を用いながらも、伝統の枠に収まらない芸術的な作品は、国内最高峰の作品が集う日本伝統工芸展でも数々の受賞歴を誇ります。
詳細を見る増村 紀一郎
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
後世に受け継がれる髹漆の技
漆芸分野で最も古くからあるといわれている技法、髹漆(きゅうしつ)。漆芸作家・増村紀一郎は、東京藝術大学大学院で漆芸を学ぶとともに、人間国宝である父・増村益城の指導のもとで伝統的な髹漆技法を習得しました。その後、正倉院宝物の復元も手掛け、自らの表現の幅をさらに広げます。2002年には、芸術分野の功労者に贈られる紫綬褒章を受章。2008年に髹漆の分野で人間国宝に認定されました。漆の特質を活かした塗りの技法と美しい造形が融合した作品は、国内外の美術館にも所蔵され、見る人々に感銘を与えています。
詳細を見る吉田 美統
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
金箔で表現する伝統と革新
明治期から続く九谷焼の窯元・錦山窯の三代目である吉田美統。2001年には「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」の分野で人間国宝に認定されました。吉田の釉裏金彩は、地色となる釉薬の上に花鳥文様に切った金箔を貼って焼き上げます。厚みの違う金箔を使うため、文様に立体感があるのが特徴です。吉田は伝統的な技法を守る一方、作品制作に早くから電気窯を取り入れるなど時代に即した技術も実践。次世代へ続く革新にも取り組み、90歳を超える現在も精力的に制作を続けています。
詳細を見る島田 晶夫
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
北欧アートと日本工芸の融合
2023年に第70回の節目を迎えた日本伝統工芸展で70回記念賞を受賞した木工作家・島田晶夫。島田は日本各地での木工の修業を経て、スウェーデンに渡って北欧の木工技術を学びました。帰国してからは北海道当別町に工房を構えて木象嵌の家具などを制作。2007年にはスウェーデン国家資格であるスウェーデン家具マイスターの称号を日本人で初めて授与されました。一方で日本の伝統工芸の技と美が集結する日本伝統工芸展への出品にも挑み、最新作では70回記念賞の受賞となりました。
詳細を見る山本 佳靖
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土と炎による新たな可能性を追求
第70回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞した陶芸作家・山本佳靖。釉薬を使わずに土のみを使い、窯の中で焼成によって模様を表現する焼締窯変(やきしめようへん)という技法で高い評価を獲得しています。土と炎だけというシンプルかつ高度な技で、新しい焼締陶の表現を目指して作陶しているという山本。土の持つ力強さの中に神秘性を感じさせる作品が魅力です。
詳細を見る海老ヶ瀬 順子
浮かび上がる繊細な文様に魅せられて
第70回日本伝統工芸展で日本工芸会会長賞を受賞した染織作家・海老ヶ瀬順子。人間国宝・北村武資のもとで学び、縠織(こめおり)という織りの技法に出会いました。縠織は、透けるような織り目が特徴の「紗」の一種で、浮かび上がる文様が米粒のように見えることからその名が付いたといわれています。海老ヶ瀬は植物染料で染めた糸を用い、色調の魅力を引き出すような構成と詩情豊かな表現を得意とします。絣やすくい織りの技法を取り入れながら、自由な感覚で縠織の世界を追求しています。
詳細を見る鬼平 慶司
変化を恐れず挑戦する作品づくり
2023 年に第70回の節目を迎えた日本伝統工芸展で、優秀賞の第70回記念賞を受賞した漆芸作家・鬼平慶司。鬼平は漆芸が盛んな輪島の地に生まれ育ち、長年日本伝統工芸展に出品を続けてきました。また蒔絵万年筆も手掛け、蒔絵の技を磨いています。伝統の蒔絵技法を大切にしながらも、新しい漆材料にも果敢に挑み、次世代へつなげる作品制作を続けています。身近な植物や風景をモチーフにした作品、さらに宇宙、極光、薄明光線を表現した天象文様の作品も制作し、常に変化を恐れず挑戦しています。
詳細を見る松本 達弥
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鎌倉時代から続く彫漆技巧を現代に
第70回日本伝統工芸展で最高賞の日本工芸会総裁賞を受賞した漆芸作家・松本達弥。松本は、地元香川で盛んな漆芸技法の彫漆(ちょうしつ)を人間国宝・音丸耕堂、音丸淳のもとで学びました。彫漆は鎌倉時代には中国から日本に伝わった技法。塗りと研ぎを繰り返し、数十回塗り重ねた色漆の層を彫刻刀で彫り出す高度な技法です。松本の作品は色漆の層を彫ることで草花文様や幾何学文様が立体的に浮かび上がり、その絶妙なグラデーションが見る者の目を楽しませてくれます。作品はニューヨークのメトロポリタン美術館にも収蔵されるなど、国内外からの高い評価を得ています。
詳細を見る中村 弘峰
物語の一瞬を作品に込める
第70回日本伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞した人形作家・中村弘峰。4代続く人形師の家に生まれ育ち、父である中村信喬に師事。博多人形の伝統を重んじながらも、野球選手などをモチーフにした「アスリート」のシリーズに代表される現代性の高い人形作りで国内外での評価を高めています。一瞬の動きや表情を捉えた作品からは、その背景に息づくストーリーが見えてくるかのように感じられます。
詳細を見る鹿島 和生
伝統技法の新たな可能性に挑戦
第70回日本伝統工芸展で東京都知事賞を受賞した金工作家・鹿島和生。金属の表面に刻んだ布目に薄い金属箔を嵌め込む「布目象嵌」という技法を習得し、江戸時代から続く鹿島布目の5代目として技を継承しています。伝統を踏まえながらも自由な発想で展開される作品は、金工分野における国内最大規模の展覧会でも高い評価を獲得。海外での展覧会やワークショップなどグローバルに活躍し、新たな世代へ布目象嵌の魅力を伝えています。
詳細を見る須田 賢司
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
清らかでモダンなたたずまい
木工作家・須田賢司は、祖父の代から続く木工家の家に生まれ、自らもその道に進み、2010年に芸術分野の功労者へ送られる紫綬褒章を受章。2014年には「木工芸」の分野で人間国宝に認定されました。須田は木工芸の中でも、木と木の部材を組み合わせて作る指物(さしもの)という技法で精緻な作品を生み出します。作品の外観だけでなく内部の構造や美しさ、自ら制作するという金具に至るまで、その作品のたたずまいは須田がモットーとする「清雅」という言葉の通り品格が溢れます。作品はイギリスの大英博物館や国内の有名美術館に収蔵されています。
詳細を見る大村 幸太郎
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3人の師匠から受け継いだ友禅の技
第70回日本伝統工芸展で文部科学大臣賞を受賞した友禅作家・大村幸太郎。美術大学卒業後に、友禅作家の木原明、吉田喜八郎、そして父・大村禎一という3人の師匠のもとで、糸目友禅や、雪が舞い降りたように仕上げる蝋吹雪染(ろうふぶきぞめ)という伝統技法を学び、2013年からは京都の工房を継いで制作を続けています。写生をヒントに作品制作をするという大村。魚や鳥などの動物、植物や風景などをモダンなデザインに落とし込んだ作品が魅力です。
詳細を見る大木 淑恵
動きのあるデザインと独自技法の調和
日本を代表する竹工作家が集う伝統工芸木竹展で最高賞の文部科学大臣賞をはじめ数々の受賞を誇る大木淑恵。彼女は今日の竹工芸の基盤を形成したともいわれる、人間国宝・飯塚小玕齋(いいづかしょうかんさい)の最後の弟子として指導を受け、研鑽を重ねました。現在は、斜めに曲げたヒゴを連ねて稜線を表現する、稜折(たかおり)という独自技法を用いて、端正なたたずまいの中に動きのあるデザインの作品を生み出しています。大木の作品は、オーストラリア最古の美術館であるビクトリア国立美術館など有名美術館にも収蔵され、国内外から高い評価を得ています。
詳細を見る原 智
金属の美しさを伝統技法と独自表現で昇華
一枚の金属の板をたたいて造形する鍛金に、魚々子象嵌(ななこぞうがん)という独自技法を取り入れ作品を制作する金工作家、原智。一見すると器の表面だけに色付けされたように見える線や点には、ボディとは違う種類の金属を嵌め込む象嵌という高度な技術が使われています。原はその象嵌に古くから伝わる魚々子という連続した円を刻む彫金の技法を融合させ、他に類をみない表現技法を生み出しました。一寸の狂いも許されない精緻なデザインが施された作品は、人間国宝から気鋭の若手作家までが集う伝統工芸日本金工展で数々の受賞を誇り、海外の美術館にも収蔵されています。
詳細を見る井上 楊彩
内なる想いを作品に託す
「楚々として美しく、可愛らしく、ずーっと傍に置いてもらえるような作品を作りたい。」と語るのは人形作家・井上楊彩(ようさい)。国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展での日本工芸会会長賞をはじめ、数々の受賞歴を誇ります。楊彩は人間国宝・秋山信子の漆で仕上げる人形作品について学んだことをきっかけに、自らも漆芸を学び始めました。近年では漆を使った仕上げにも挑み、落ち着いた輝きを放つ作品を制作しています。漆は耐久性にも優れ、古来より多くの美術品に使われてきました。末永く変わらぬ姿で残ってくれるように、楊彩の作品にはそんな思いが込められています。
詳細を見る粟根 仁志
研鑽された技術で拓く七宝の未来
澄んだ青の色彩を特徴とする七宝作家、粟根仁志。七宝は、土台となる素地の上にリボン状の銀線で模様を描き、釉薬を重ねて焼成を繰り返すことで奥行きのある色彩を生み出す技法です。完成までの各工程で、非常に緻密で繊細な技術が求められます。粟根は、自ら設計・加工を行うという素地の立体的な造形表現を得意とし、七宝の新たな表現の可能性を探求してきました。伝統の枠を超え芸術に昇華された作品の数々は、工芸分野における国内最高峰の展覧会で受賞を重ね、国内外を問わず高い評価と注目を集めています。
詳細を見る井上 萬二
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卓越した技で白磁の造形美を極める
佐賀県有田に自身の名を冠した工房を構え、現役で作陶に向き合う陶芸家・井上萬二。巧みなろくろ技術によって生み出される端正な造形の作品が特徴です。海外での技術指導や多数の展覧会を経験し、1995年には「白磁」の人間国宝に認定。芸術分野における優れた功績を称えられ、紫綬褒章も受章しています。時代に即した感性を持つ井上の作品は国内外の多くの人々から愛されています。程よく緊張感のあるフォルムでありながら親しみを感じさせる独特の雰囲気で、見る人、使う人を楽しませてくれます。
詳細を見る石原 雅員
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高い伝統技術と現代的なデザインで切り開く、漆芸の新たな境地
石原雅員は、讃岐漆芸を代表する人間国宝である音丸耕堂のもとで学び、2011年には香川県無形文化財彫漆技術指定を受けました。何層にも塗り重ねた漆を彫り紋様を浮き立たせる彫漆や、色漆の層になった板(堆漆板)を象嵌する堆漆象嵌といった技法を得意としています。日本を代表する工芸作家の最新作が集う日本伝統工芸展や日本伝統漆芸展においても数々の受賞歴を誇ります。現在は「伝統工芸の高い技術を使いながら現代生活の中で美しく機能する作品造り」というスタイルを確立し、今までにない斬新な漆工芸に挑戦しています。
詳細を見る前田 正博
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見るものを楽しませ、明るくさせるやきもの
2022年に作陶50年を迎えた陶芸家、前田正博。東京藝術大学大学院を修了後、国内外で展覧会に出品。2009年には日本伝統工芸展で最高賞の日本工芸会総裁賞を受賞し確固たる地位を確立しました。作品は国内の美術館のみならず、フィラデルフィア美術館やブルックリン美術館など海外の有名美術館にも収蔵されています。極細のマスキングテープを貼り、彩色しては焼く、という工程を繰り返す独自技法で生み出される格子模様は今や前田の代名詞となっています。「工芸の基本は明るく、楽しく、美しく」と語る通り、大小さまざまで色とりどりの作品は、見る者そして使う者たちを楽しませてくれます。
詳細を見る村上 良子
植物染料の美しい色彩と大胆なデザイン構成で魅せる紬織の世界
真綿から紡がれた紬糸で着物を作る紬織作家、村上良子。自然の心象風景をモチーフにした作品が特徴で、透明感のある草木染の色彩と斬新な色面構成によるデザイン性の高さが人気を集めています。村上は、紬織の人間国宝・志村ふくみに師事し、植物染料と織りの技術を習得。伝統を受け継ぎながらも常に新しい表現を探求しています。2015年には国内最大規模の工芸の展覧会である日本伝統工芸展で、日本工芸会保持者賞を受賞。翌年に紬織の分野で人間国宝に認定されました。現在は後継者の指導にも尽力し、紬織の世界を牽引する作家として活躍しています。
詳細を見る十四代 今泉今右衛門
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歴史に培われた技術を現代に
今泉今右衛門は江戸時代から続く色鍋島今泉今右衛門家の十四代目。陶芸分野史上最年少で「色絵磁器」の人間国宝に認定されました。国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展でも数々の受賞を誇り、作品は大英博物館をはじめ国内外の有名博物館、美術館に収蔵されています。 歴代の今右衛門が培ってきた伝統技術を継承しながらも、「現代の色鍋島をいかに創出できるか」をテーマに、プラチナを使った上絵など独自の技法にも挑戦を続けています。
詳細を見る石田 知史
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
繊細さが際立つガラスの美、パート・ド・ヴェール
古代メソポタミア時代に起源を持つガラス技法「パート・ド・ヴェール」。ガラス作家石田知史は、京都の地でその技法を研究し、「鋳込みガラス」という工芸の一ジャンルにまで発展させた石田亘、征希のもとで育ちました。自身もガラス工芸について学びながら、アジアや中東、アメリカなど諸外国をめぐり独自の表現を追求。2006年には国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展で最高賞(日本工芸会総裁賞)を受賞しました。大胆なフォルムと異国情緒漂う繊細な文様が施された作品は石田の真骨頂です。
詳細を見る佐故 龍平
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
独自の手法で唯一無二の存在感を放つ
何層にも重なった金属を叩きのばすことで生み出される、木目のような模様が特徴の杢目金(もくめがね)。その技法を得意とする佐故龍平の作品は、独特の模様から醸し出される個性と金属の凛とした空気感を併せ持ち、幻想的な世界観を表現しています。人間国宝から気鋭の若手作家までが集う日本伝統工芸展において、2003年に東京都知事賞を獲得。その後も数多くの展覧会での受賞を重ねます。海外の美術館にも所蔵されるなど、国内外から高い評価と人気を集めている作家のひとりです。
詳細を見る山岸 一男
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磨き上げられた沈金の技術で漆の魅力を広げる
漆器の代表的な産地である輪島で作品制作に取り組む山岸一男。漆を刃物で彫った溝に金粉をすりこむ「沈金」の技法で人間国宝に認定されています。肉眼では捉えきれないほど細かく繊細な文様や作品を印象づける線は、すべて緻密な手作業によるものです。その磨き上げられた技術と芸術的な表現が高く評価され、国内最高峰の工芸作家が集う日本伝統工芸展で2005年に高松宮記念賞を受賞。伊勢神宮式年遷宮の御神宝も手がけています。輪島の自然をモチーフとして、豊かな感性によって生み出された作品は、世代を問わず多くの人々を魅了しています。
詳細を見る藪内 江美
香川漆芸の伝統技法が光る色漆と彫りの交錯
200年近い歴史を持つ香川の漆芸は多くの人間国宝を輩出してきました。その香川特有の伝統技法に魅せられ、香川の地で制作に励む漆芸作家藪内江美。藪内は、線や点で彫った溝に色漆を塗り込んで模様を表現する蒟醤(きんま)という技法で高い評価を獲得。2009年日本伝統漆芸展での新人賞を皮切りに、日本を代表する漆芸作家が集う数々の展覧会で受賞を重ねています。自身が目にした自然の風景を表現しているという作品は、色漆の色彩が独特の世界観を生み出し、見る者の目にも鮮やかに映ります。
詳細を見る小宮 康正
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
色褪せない着物は世代を超える一枚に
小宮康正は国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展で 1983年に文部大臣賞、 2006年には高松宮記念賞を受賞。 2018年に江戸小紋の分野で人間国宝に認定されました。小宮家は康正の祖父から三代続けて人間国宝に認定されている名家。代々伝わる江戸小紋の技を継承し続けながらも、移りゆく時代に合わせて改良を重ね、作品を発表しています。「何年たっても輝きを失わない、冴えのある色を目標としている」と語る小宮。小宮が染めた着物は親から子へと受け継がれる一枚として愛されています。
詳細を見る中田 博士
真珠の輝きが美を醸し出す磁器
洗練されたフォルムと真珠の輝きを持つ作品で評価の高い陶芸家中田博士。中田は九谷焼の粘土を使 いながらも九谷特有の色絵は用いずに、マットな輝きを放つパール釉 で細く繊細なストライプ模様を施した「真珠光彩」という独自技法を確立させ活躍。作品は素地が持つ白磁色と釉薬との質感の異なる白で彩られ、見る角度によって上品なきらめきを放ちます。2020年には日本伝統工芸展で東京都知事賞を受賞。国内外からの注目を集めている陶芸家のひとりです。
詳細を見る中川 衛
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
加賀象嵌の新たな表現を常に追求
中川衛は、石川県金沢の金工作家である高橋介州の作品に魅了され加賀象嵌(かがぞうがん)の道へ。失われつつあった技術の伝承にとどまらず、現代的な感覚を取り入れたデザインで伝統に新たな息吹をもたらしました。2004年には彫金の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。メトロポリタン美術館や大英博物館への作品所蔵、各国での実演・講演などグローバルに活躍し、象嵌の技法や魅力を新たな世代に伝えています。
詳細を見る松本 三千子
透き通るような色彩と繊細な技で表現
透明なガラス質の中にキラキラと輝く銀線が特徴の省胎七宝。その第一線で活躍する松本三千子は、現代の工芸作家の作品が集結する日本伝統工芸展において2016年に高松宮記念賞を受賞。国内外からますますの注目を集めています。彼女の作品は、省胎七宝の特徴を生かした清涼感のある色彩と、抽象的かつシンプルな模様の組み合わせが魅力的。繊細な技で生み出された世界に心を奪われます。
詳細を見る浅井 康宏
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
精緻を極めた蒔絵の技
日本独自に発達した漆芸の代表的な技法、蒔絵。その蒔絵でいま最も注目される作家のひとり、浅井康宏。大学卒業後、蒔絵の人間国宝である室瀬和美に師事。光の具象化をテーマにした蒔絵玳瑁(たいまい)宝石箱「光の道」は、2012年日本伝統工芸展で日本工芸会新人賞を受賞し、大きな注目を集めました。現在は、出身地の鳥取で育てた貴重な国産の漆を使いながら作品を制作。精緻を極めた作品は国内外で多くのファンを魅了しています。
詳細を見る松本 破風
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
竹の特性を活かした造形美を追求
2019年、スペインのファッションブランド「ロエベ」とのコラボレーション作品を発表し、注目を集めた竹工作家の松本破風。人間国宝である飯塚小玕齋に師事し、竹という素材を尊重しながら、竹ならではの造形美を追求しています。細かな網代編みの作品から、のした竹を大胆にデザインした作品までその制作の幅は広く、日本工芸会会長賞をはじめ数多くの受賞を誇ります。現在は南房総の地に工房を構え、竹と向き合いながら制作を続けています。
詳細を見る中村 弘峰
物語の一瞬を作品に込める
野球選手などをモチーフにしたアスリートのシリーズが人気を博している人形師 中村弘峰ですが、その基礎は伝統ある博多人形の技にあります。4代続く人形師の家に生まれ育ち、父である中村信喬に師事。多彩で優れた工芸技術が受け継がれる九州地域を対象とした西部伝統工芸展で数多くの受賞歴を誇るほか、日本伝統工芸展では2013年の新人賞受賞を皮切りに数々の作品が入選しています。一瞬の動きや表情を捉えた作品は、その背景に、作品の持つストーリーが見えてくるかのように感じられます。
詳細を見る江里 朋子
仏教美術から生まれた華麗な技
截金(きりかね)は主に仏像や仏画などを美しく飾るための技法で、6世紀ごろに仏教の伝来とともに大陸から日本へ伝えられました。江里朋子は自身も仏像の装飾に携わる一方で、その千年以上変わらぬ截金の技法を現代の工芸作品に表現。緻密で繊細な作品は、2011年の日本伝統工芸展新人賞をはじめ、各種工芸展に入選するなど高い評価を得ています。現在は、人間国宝でもあった母、江里佐代子の遺志を継ぎ、長年受け継がれてきた截金をいかに現代に昇華するかに挑んでいます。
詳細を見る渡邊 明
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
光の美しさを独創的な技法で表現
デザイン性の高い作品で数多くの賞を獲得し、2008年には芸術分野功労者に贈られる紫綬褒章も受賞したガラス作家 渡邊明。 京都大学を卒業後にオーストリアでガラス工芸を学び、ガラスを何層にも重ねた「積層(せきそう)」という独自の技法を生み出しました。重ねられたガラスの間には金粉や色ガラスの粉が輝き、伝統ある切子の技法でカットされたガラスに美しい光のプリズムが生まれ、見る人々を魅了しています。
詳細を見る隠﨑 隆一
土と火が織りなす独創的な作品
日本六古窯のひとつで、800年の歴史を持つ備前焼。陶芸家 隠﨑隆一はこの地に他県から移り住み、長い伝統をさらに発展させるべく作陶を続けています。「土との関わりを大事にしたい」と本人が述べる通り、隠﨑の作品は土の風合いと、炎が生み出した焼き色が魅力。作品の造形は斬新で、海外の有名美術館での展覧会へも多くの作品が招待出品されています。第69回日本伝統工芸展(2022年)では文部科学大臣賞を受賞。備前を代表する陶芸家のひとりとして活躍しています。
詳細を見る新庄 貞嗣
茶碗の形に独自の技を昇華
茶の湯で使うための陶器“茶陶”として人気を博してきた萩焼。新庄貞嗣は、萩焼草創期の17世紀初めに開窯した「新庄助右衛門窯」の十四代目に当たります。手になじむ碗形(わんなり)の茶碗は、茶人だけでなく陶芸愛好家や研究者から絶大な評価を獲得。海外展覧会への出品も多数あり、作品はイギリスの大英博物館にも収蔵されています。
詳細を見る鈴木 徹
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
緑釉が創り上げる独特な世界観
「亜流とならない、いままでになかったもの。それでいて力強く、存在感のある作品を作り上げようと心がけています」その言葉の通り、陶芸作家鈴木徹の作品は織部焼に端を発しながらも、伝統の踏襲だけにはとどまりません。多角形に面をつけた造形や鮮やかな緑釉が鈴木の世界観を生み出し、国内最高レベルの作品が集う日本陶芸展では数々の受賞歴を誇ります。現在は三種類の釉薬を使って美しいグラデーションを見せる三彩にも取り組み、さらなる高みへと挑戦を続けています。
詳細を見る小椋 範彦
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
漆芸の枠を超えゆく技術に魅せられて
草花、風景等のモチーフを得意とする漆芸作家、小椋範彦。漆芸の技法を卓越した技術で細かに使い分け、国内はもとより海外の展覧会にも多数出品し、高評を得ています。近年は、これまでにない絵画的な表現の研究を推し進め、漆芸技術を用いて油彩や水彩画のように風景を描く「蒔絵パネル」にも挑戦。独自の手法を生み出すに至りました。世界で最も注目を集めている漆芸家のひとりとして、1200年続く漆芸文化を後世へとつないでいます。
詳細を見る髙橋 寬
友禅染の伝統を現代のデザインに
日本を代表する染物のひとつ、友禅染。高橋寬は10代のころより染めの道に入り、友禅の人間国宝・中村勝馬のもとで学びました。「糊を置いて染め、また糊を置いて染める。単純な技法の中で洗練していく」。そう語る高橋の言葉通り、作品に表現される文様は、幾何学的でありながらも無機質にはとどまらず、柔らかな印象すら私たちに与えてくれます。友禅染の伝統をふまえつつも独創的で表現豊かなデザインの作品は、多くの女性を美しく彩っています。
詳細を見る中田 一於
銀箔への挑戦を独自の技法として確立
伝統ある九谷焼に、これまで敬遠されていた銀箔を使って新風を巻き起こした陶芸作家、中田一於。銀色の美しさを作品に表現したい、という思いから、金箔ではなくあえて銀箔を使うことに挑戦。独自技法「釉裏銀彩」を確立させ、今もなお第一線で活躍を続けています。美しい植物などさまざまな文様に切られた銀箔は釉薬によって作品に閉じ込められ、その美しさはいつまでも私たちを楽しませてくれます。
詳細を見る般若 保
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
伝統技法から生み出される神秘的な模様
国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展で、最高賞である日本工芸会総裁賞や文部大臣賞の受賞歴を誇る般若保。数種類の金属を交互に流し込む独自の技法「吹分(ふきわけ)」を巧みに使い、現代的かつ独創的な模様を作り出しています。黒と梨地色のコントラストが織りなす斬新なデザインは般若作品の真骨頂。モダンなたたずまいの作品は、奈良の薬師寺に奉納されているほか、国立近代美術館にも収蔵されています。
詳細を見る松原 伸生
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
江戸時代から続く伝統の藍染め
「長板中形」は名前の通り、長い板に中サイズの文様の型を用いて、布の表裏両面から藍染めする技法。そのルーツは江戸時代の浴衣にあると 言われています。この技法で人間国宝に認定された定吉を祖父に持つ松原伸生は、自らも19歳のころから染めの道へ。父と共に移住した自然豊かな君津の地で、現代に即した作品を制作し、三代目として活動中です。藍と白のコントラストが美しいその作品は数々の工芸賞を受賞し、2021年には芸術分野功労者に贈られる紫綬褒章も授与されています。
詳細を見る氣賀澤 雅人
200年前から続く技を現代に表現
200年ほど前に西欧から伝来して以来、江戸や薩摩で技術が受け継がれてきた切子ガラス。そんな江戸切子や薩摩切子の復刻にも携わり、カットガラスへの造詣が深い氣賀澤雅人は、時代にあった新たな可能性を常に探求してきました。厚みのあるガラス素材を深くカットすることで、ガラス特有の光の反射、映り込みをより魅力的に表現。数々の受賞歴を誇り、その作品は宮内庁にも買い上げられています。
詳細を見る望月 集
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
自然からの刺激を独創的な技法で表現
椿が代名詞の陶芸作家、望月集。東京藝術大学在学中に陶芸の虜となり、自然から着想したテーマで作品を作り続けています。2019年には、国内最高レベルの作品が集う日本伝統工芸展で最高賞(日本工芸会総裁賞)を受賞。自然界のモチーフを大胆にデザインしながらも、温度を変え何度も焼くことで微妙な質感の違いを繊細に表現した作品群は、国内外から高い評価と人気を得ています。
詳細を見る中村 信喬
伝統の博多人形に新しい風を送り込む
大学時代には彫刻(木彫)を専攻し、後に人形制作の世界に飛び込んだ中村信喬。数々の伝統工芸展で入選・受賞している、日本を代表する人形作家です。地元博多の伝統行事「博多祇園山笠」の人形なども手掛ける一方、新しい題材にも挑戦。博多人形に西洋的な風貌を施した天正遣欧少年使節シリーズの一部作品は、ローマ法王に謁見の際に献上されました。「人形の世界には必ずストーリーがある。ぜひ物語を感じて見てほしい」と語るように、彼の作品背景にある世界観に想像をかき立てられることは間違いないでしょう。
詳細を見る神農 巌
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
洗練を重ねる青磁に見る新たな可能性
神農巌が陶芸家を目指すきっかけとなったのは、中国青磁との出合いからでした。淡いけれど深い、透明感あふれる青さを自分でも作り出したいと、大学卒業後から本格的に陶芸を学び評価を獲得。作品は国内外の展覧会に出品され、各地の美術館にも多数収蔵されています。
琵琶湖の近くにアトリエを構え、水の動き、湖や空の青さといった自然から受けるインスピレーションを作品に反映しながら、生命の根源をテーマに制作しています。筆で塗れるほど緩く仕上げた磁土(泥漿 でいしょう)を塗り重ねる独自の手法“堆磁(ついじ)”で描かれた模様は、まるでDNAの螺旋のよう。造形美と装飾とが一体となった、神農ならではの美しいフォルムへと結実させます。
五代 名倉鳳山
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
実用品を芸術品に押し上げた技術と伝統
硯(すずり)と聞いて、工芸品だと思う人は少ないかもしれません。しかし、その伝統的な実用道具に自身が学んだ造形技術を施し、芸術品へと高めたのが名倉鳳山です。中国の硯が評価を占める中、名倉の作品は日本の硯として初めて国に認められ、東京国立博物館に収蔵される快挙を成し遂げています。「墨をする道具」としての側面を保ちつつ、造形美も表現した「芸術品」へと硯のあり方を変えた名倉の功績は大きく、創造の進化はとどまるところを知りません。
詳細を見る杉浦 美智子
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
共感を呼ぶデフォルメの妙
現代の生活空間にも合うような、見た人がより共感を覚える作品を目指している杉浦美智子。「見たままの姿に誇張や簡略を加えつつも抽象化はせず、わかりやすいかたちに表現し直すことを常に模索しています。それが『人の形を人形にする』ということです」と語る彼女の作品は、動きのある姿態や親しみある表情が魅力です。柔和な質感を出すため、顔には和紙を選び抜いて使い分け、微妙なニュアンスを表現。趣味が高じて邁進することになったという人形制作ですが、各種の工芸賞を受賞し、めざましい活躍を見せています。
詳細を見る福島 善三
高い芸術性を生み出した「伝統への挑戦」
福島善三は、柳宗悦が「用の美の極地」と称えた「小石原焼」の人間国宝。国内最高レベルの作品が集う日本陶芸展で大賞を受賞、その評価は不動のものに見えますが、「同じ作風では評価されない」と新たな表現を常に追求するストイックな人物です。粘土作りから焼成まで全工程を手掛けるのも福島自身。小石原焼の窯元に生まれながらも挑戦を忘れず、伝統にとらわれることはありません。青みがかった乳白色仕上げの作品群は彼の代表作で、小石原焼の特徴である削り文様を施さないにも関わらず、その美しさから多くの賞賛を得ています。
詳細を見る土屋 順紀
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
植物染めと手織りがもたらす独創的な透明感
絶妙な色の濃淡や組み合わせで透明感のある作品を作り出す土屋。テキスタイルを学んでいた学生時代、植物由来の色の美しさに興味を持ち、草木染の世界に足を踏み入れました。土屋が主に手掛けるのは、透け感が特徴の織物「紋紗」。物語や絵画、自然などからモチーフを得て、自ら染め上げた糸を使って手織りしていきます。時間をかけて紡がれる作品はまるで蜻蛉の羽のよう。数々の伝統工芸賞を受賞したほか、芸術分野に功績を認められた人物に贈られる紫綬褒章も受章しています。
詳細を見る大谷 早人
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
江戸時代より続く技を現代に昇華
人間国宝であった師、太田儔をして「今後の香川漆器の代表的な人物になるだろう」と言わしめた大谷早人。高度な彫刻技術や繊細な色彩文様を得意とし、彼自身も人間国宝に認定されました。草花や昆虫など自然の一瞬の美を切り取ったデザインも多く、色の濃淡などを巧みに用いて表現。多数の受賞歴を誇り、芸術分野功労者に贈られる紫綬褒章も授与されています。現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭では自身の生家を「漆の家」として公開。伝統的な漆の技法をアートの世界で表現し、国内外問わず好評を獲得しています。
詳細を見る前田 昭博
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
柔らかさと緊張感が並立するという魅力
陶芸の伝統を踏まえながら、独自な造形を追い求め、白磁の分野で人間国宝に認定された前田昭博。常に戦いを挑むように土に向かい、何の変哲もない白い土から感じ取った思いを、轆轤(ろくろ)を用いて具現化。そうして、凜とした佇まいを見せつつも柔和さをも兼ね備えている、前田ならではの作品が生み出されていくのです。彼の思いが一体となった作品は各所より高い評価を受け、国内のみならず、海外の多くの美術館にも収蔵されています。
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