木工芸

木工芸の説明

日本は気候や風土にめぐまれて、いろいろな種類の木が各地で生育しています。それらの木々を使ってはるか昔から優れた木の器や、箱等がつくられてきました。
木目の美しさをいかし、人々の生活に役立つものをつくるのが木工芸です。そのためには作品をつくるための木を選ぶことがとても大事です。

技法紹介

指物(さしもの)

木目の組み合わせを考えて、木を正確に切ることが第一歩です。木を削ったり彫ったりして、つぎ手と呼ばれる凸と凹の部材をつくり、それらを直角に組み合わせて箱などの作品をつくります。金属のクギなどを使わないで組み立てることが、指物(さしもの)の特徴です。

写真:指物(さしもの)

刳物(くりもの)

木のかたまりを彫刻刀やノミで削り出して形を作ります。複雑な曲線や丸みのある形を自由自在に作ることができます。

写真:刳物(くりもの)

挽物(ひきもの)

ろくろで回転させた木に刃物をあてて形を作ります。円形の盆や鉢・椀などの作品をつくるのに向いている方法です。刃物のあて方や角度でいろいろな形に成型できます。ろくろを一定の速さで回すことにより安定した形を作り出すことができます。

写真:挽物(ひきもの)

曲物(まげもの)

薄い板を蒸してやわらかくしてから曲げ、筒状にして作る方法と、板にノコギリで切り目を入れて薄く木を残し、折り曲げて多角形を作る方法があります。

写真:曲物(まげもの)

木象嵌(もくぞうがん)

木象嵌は作品の胎(ボディ)を彫り、違う種類の木や金属、貝などを嵌め込んで模様をつける装飾技法です。

写真:木象嵌(もくぞうがん)

木画(もくが)

木画とは、数ミリの薄さに切り出した木材を長方形や三角形などのパーツにし、作品の胎(ボディ)となる板に貼り合わせて文様をつくる装飾技法です。多い時には1,000枚以上の小さなパーツを、木目がずれないように貼り合わせて文様をつくりだすこともあります。

写真:木画(もくが)

拭漆(ふきうるし)

拭漆とは、木地の表面に薄く漆を塗って仕上げる技法です。へらなどで漆を塗って綿布で摺り込み、余分な漆を和紙やきれいな布で拭き取ります。この工程を何度も繰り返すことで、木目がくっきりとし木肌も深みを増します。

写真:拭漆(ふきうるし)
出典: 「伝統工芸ってなに?-見る・知る・楽しむガイドブックー」公益社団法人日本工芸会東日本支部編・芸艸堂発行

竹工芸

竹工芸の説明

日本の風土にはぐくまれた竹は種類が多く約600種類が生育しており、竹工芸ではそのうち約10種類を使っています。竹はしなやかで弾力性があり、折れにくい性質があります。その特徴をいかし、古くは縄文時代から生活の道具がつくられ、正倉院には現在でも花籠や盛籠が多く残されています。
その技術は現在まで引きつがれ、茶道や華道、室内インテリアなどに利用され人々の生活をうるおしています。

技法紹介