ガラスの説明

ガラスの原料はやきものなどと同じ鉱物質の傾斜を細かくくだいたものです。石灰やソーダと混ぜて1200度以上の窯で溶かして液状にします。色ガラスは金属の酸化物を加えて、色ごとに別々の窯で溶かして使います。
光を通す透明な美しさと自由な形づくりができるのがガラスの特徴です。

技法紹介

吹きガラス(ふきがらす)

高温の窯で熔かしたガラスをステンレスのパイプ(竿といいます)の先に巻きつけ、息を吹きこんで風船のようにふくらませて形を作ります。形を作り上げたあとは、徐冷窯の中でゆっくりさましてできあがります。

写真:吹きガラス(ふきがらす)

切子/カットガラス(きりこ)

回転するグラインダーにいろいろな形の砥石やダイヤモンドホイールをつけて、器の形に作ったガラスの表面に押し当てて、幾何学模様や曲線を削り出します。細かい砥石で模様を整え、みがきあげて完成します。江戸切子、薩摩切子が知られています。

写真:切子/カットガラス(きりこ)

グラヴィール

器の形に作ったガラスの表面を、銅板をつけた小型のグラインダーを回転させて、油と砂をまぜた研磨剤をつけながら、模様を彫ります。植物や動物など、自由に彫ることができます。

写真:グラヴィール

パート・ド・ヴェール

粘土で作品の形を作り、さらに、石こうで型をとります。原料のガラスの粉を特殊なのりで練り、この石こう型に入れて焼きます。

写真:パート・ド・ヴェール

エナメル絵付け(えなめるえつけ)

器の形に作ったガラスの表面に、エナメルの絵の具で模様を描きます。600度くらいの低い温度の電気炉の中で焼きつけます。エナメルは焼くと表面がつややかになります。

写真:エナメル絵付け(えなめるえつけ)
出典: 「伝統工芸ってなに?-見る・知る・楽しむガイドブックー」公益社団法人日本工芸会東日本支部編・芸艸堂発行