私は日本人が永い年月をかけて育んできた文化の中に漂う「気」を意匠(デザイン)します。月と太陽、夜と昼、空と海、ゆったりとした時の流れと自然への憧憬を交差させた作品です。
分野 | 硯 |
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発表年 | 2013 |
サイズ | 高さ4.0 x 幅19.0 x 奥行26.5 cm |
材質 | 鳳鳴石(愛知県鳳来寺山) |
展覧会 | 第60回日本伝統工芸展 |
受賞 | 日本工芸会奨励賞 |
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硯
硯は、筆を使って文字を書くための墨をする用具で、墨をすりながら心を落ち着かせる大切な文房具でもあります。材料の石から硯となる形に大まかに切り出し、長い柄のノミを使って、墨をするたいらな部分や墨がたまるくぼみを彫って形を作ります。完成した形に漆やロウを塗って仕上げます。
山梨県の雨畑石(粘板岩)や山口県の赤間石(輝緑凝灰岩)、愛知県の鳳来寺石(頁岩、粘板岩)などが代表的な石です。
名倉 鳳山 Hozan Nagura
材料の石には、門谷近くで採れる金鳳石(きんぽうせき)、煙巌石(えんがんせき)、鳳鳴石(ほうめいせき)が使われ、この3種類の石で作られた硯を「鳳来寺硯」と呼んでいます。 先祖から受け継いだ技術の練摩と後進への伝承はもちろん、日本人の精神と美意識を表現する「心の器」として、硯を単なる書の道具はなく美術工芸品へ、さらには唐様式ではない和様式の新しい文化・芸術の領域へと価値を高めるべく、日々制作しております。