高蒔絵箱「極光天翔る」
たかまきえはこ「きょくこうあまがける」 高さ 21.7 x 幅 26.4 x 奥行 14.5 cm / 2020年鬼平 慶司 (おにひら けいじ)
1973 -- 漆芸
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価格帯
¥550,000 - 4,400,000
Info
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
閉じる - 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 4
蒔絵の技法は多岐にわたり 貴重な漆・金粉・螺鈿など さまざまの漆芸材料・技法を駆使して 創作表現をしています。 新しい漆・顔料などが開発されている近年、新しい技術を取り入れ 活かしてこそ 次の伝統に繋がるとの思いを強くしております。 工芸意匠を創作の基本に 作品の世界観や雰囲気を大切にして さまざまなモチーフやテーマを意欲的に制作していきたいと思っています。
作家の詳細を見る作品について
高蒔絵箱「極光天翔る」(キョクコウアマガケル) 「天翔る」とは、天高く飛び走る、また古くは 神や人などの霊魂が空を飛び走る、という意味があります。また北米大陸の先住民の言い伝えのなかにも極光(オーロラ)が出ると 亡くなった人との対話できるとの逸話があります。同じような意味合いのある言葉と、その神秘的な光に憧れて漆芸技法を用いて創作表現に挑戦しています。 蓋の甲面は放射線上に極光の輝きが始まり、蓋の短側面に向かって降りていくデザインです。表現技法のきっかけは、町家の格子戸から射す光のように、方向によって見え方に変化がある形状に表現の可能性を感じ表現してみました。蓋の長側面は、縞模様を高蒔絵の技法で盛り上げて段差をつけ、光のカーテンのような揺らぎを感じる幻想的な極光の輝きの表現を目指しました。 蓋の内側には螺鈿で月をあしらい金梨子地粉を蒔き暈して仕上げました。身の見込には水面に照らされ揺らめく「逆さ月」を表現しました。立ち上がりの部分には極光に照らされた森と、湖面に輝く「逆さ極光」を表現しました。あらためて意匠する面白さを感じた制作となりました。 2020年 第67回 日本伝統工芸展出品
作品詳細
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分野漆芸
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材質アワビ貝、 玉虫貝、 顔料、金と銀の合金、金
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サイズ高さ 21.7 x 幅 26.4 x 奥行 14.5 cm
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発表年2020
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限定一点物
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桐箱付属
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サインあり(作品、桐箱)
この作品の技法
乾漆 (かんしつ)
粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。
麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。
漆絵 (うるしえ)
色漆を使って絵を描く表現が漆絵です。最も古い時代に生まれた基本的な装飾表現です。
蒔絵 (まきえ)
蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。
平文 (ひょうもん)
金や銀などの金属を、薄い板にのばしてからいろいろな形に切りぬいて模様をつける技法を平文と呼びます。
螺鈿 (らでん)
螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝がらの輝いた部分をうすくして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。螺鈿は、1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見ることができます。
入選情報
- 第67回 日本伝統工芸展 (2020)
- 入選