山桑 戸棚
やまぐわ とだな 高さ 850 x 幅 860 x 奥行 435 cm / 2018年岡田 勝之 (おかだ かつゆき)
1943 -- 木竹工
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作品について
桑は古くからの有用樹で、養蚕の他に山菜や家具材として使われてきており、日本人には馴染みの深い木でした。
古くは柘枝伝説(つみのえでんせつ)、また万葉集にも桑に関して歌われている首があり、古代日本では近しい存在であったといえます。
しかし昨今、流通も極めて減りつつあり、貴重な木材となってきています。
木質はかなり硬く、磨くと深い黄色を呈して美しいため、茶道具では最高級とされます。
こちらの作品の山桑ですが、40年以上も前に製材し寝かせた山桑を使用しています。木材は製材して寝かせておくと木が落ち着き、また色合いも美しく変化します。
さらに、仕上げを蝋引き加工で行うことで、桑の最高級の色とされる「黄金桑」に仕上がっています。
写真で見るとやや派手派手しいものの、これが古くから日本人に愛されてきた色合いなのです。
また、使用している蝶番・鍵・取っ手などの金具は古いもので、現代のものとは色も質感も全く異なり、非常にしっとりとした黒さが特徴です。
友人の金工師(美術館の補修もされておられます)に助言を受けて、丁寧に補修・仕上げを行いました。
なお、昔ながらの指物の技術を使用しておりますので、蝶番および留め具の部分以外の金物は一切使用しておりません。また、着色も一切しておらず、無垢のままです。
作品詳細
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分野木竹工
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材質山桑、桐、鉄
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サイズ高さ 850 x 幅 860 x 奥行 435 cm
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発表年2018
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取り扱い方法透明な塗装加工を行っておりますので、防水性がございます。
ただし、急な加熱(エアコン直下の設置や、熱したやかんや鉄瓶等の設置)や、鋭い刃物等の使用、ハンマーなどの衝撃により、本体の木材に悪影響を及ぼし破損の原因となります。また、薬品(マニュキュアなど)で塗装が剥がれ落ちることがあります。
等々、ご注意くださいませ。
なお、木材は加工後も水分を吸収・排出するため運ぶ地域によって膨張・収縮が起こります。例えば、山陽地方から山陰地方間の移動でも湿気の割合が変わるため、ひずみが発生します。
僅かなひずみですが、これにより家具のmmレベルでの調整部分に不具合が発生します。
これは木であるが故に発生することですので、どうぞご承知おきください。
なお、何かありましたら遠慮なくご連絡いただければと思います。
この作品の技法
指物 (さしもの)
木目の組み合わせを考えて、木を正確に切ることが第一歩です。木を削ったり彫ったりして、つぎ手と呼ばれる凸と凹の部材をつくり、それらを直角に組み合わせて箱などの作品をつくります。金属のクギなどを使わないで組み立てることが、指物(さしもの)の特徴です。
