大和玉虫文蒔絵合子
やまとたまむしもんまきえごうす 高さ 10.6 x 幅 22 x 奥行 22 cm / 2021年鬼平 慶司 (おにひら けいじ)
1973 -- 漆芸
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価格帯
¥550,000 - 4,400,000
Info
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
閉じる - 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 4
蒔絵の技法は多岐にわたり 貴重な漆・金粉・螺鈿など さまざまの漆芸材料・技法を駆使して 創作表現をしています。 新しい漆・顔料などが開発されている近年、新しい技術を取り入れ 活かしてこそ 次の伝統に繋がるとの思いを強くしております。 工芸意匠を創作の基本に 作品の世界観や雰囲気を大切にして さまざまなモチーフやテーマを意欲的に制作していきたいと思っています。
作家の詳細を見る作品について
大和玉虫は細長い米型の甲虫で、全体に緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦縞が入る美しい昆虫です。 天敵である鳥は、「色が変わる物」を怖がる性質があるため、この虫が持つ金属光沢は鳥を寄せ付けないと言われています。 エノキやケヤキなどの広葉樹の上を昼に飛び(成虫の餌はケヤキなどニレ科植物の葉である)、夜間は葉の裏でじっとしています。 幼虫は枯れ木の材に潜り込み、それを餌として生活する。日差しの強いときに飛翔、よく活動します。 エノキやケヤキ、槇などの高所の幹をのこぎりで挽くとその香りを求めて切り口付近にはよく集まり。 一方で垣根の乾燥した竹や一本だけ突き出た枯れ枝で日光浴する個体もよく見かけるが警戒心が強く、近づくとぴたりと動きを止め、 更に近づくと飛び去ったり、茂みに落下したりして姿を消します。 鞘翅は、死んでも色が変わらないので、法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾として使われています。 この作品は大和玉虫の食べるエノキの葉や花実を、伝統の吉祥文様である「七宝繋文」に見立ててデザインしました。 大和玉虫は高上げし玉虫貝螺鈿技法で表現しました。背景はパラジウムと銀の合金粉地です、 昔から大和玉虫の鞘翅を箪笥に入れておくと着物が増える、ということが言われていました。 幸せを呼ぶ玉虫の箱として慈しんで頂ければ嬉しく思います。
作品詳細
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分野漆芸
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材質玉虫貝、 顔料、乾漆(一部木胎)、パラジウム銀、金
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サイズ高さ 10.6 x 幅 22 x 奥行 22 cm
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発表年2021
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限定一点物
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桐箱付属
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サインあり(作品、桐箱)
この作品の技法
乾漆 (かんしつ)
粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。
麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。
漆絵 (うるしえ)
色漆を使って絵を描く表現が漆絵です。最も古い時代に生まれた基本的な装飾表現です。
蒔絵 (まきえ)
蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。
平文 (ひょうもん)
金や銀などの金属を、薄い板にのばしてからいろいろな形に切りぬいて模様をつける技法を平文と呼びます。
螺鈿 (らでん)
螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝がらの輝いた部分をうすくして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。螺鈿は、1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見ることができます。
入選情報
- 第38回 日本伝統漆芸展 (2021)
- 入選