鬼平 慶司

蒔絵箱「暁紅」 マキエバコ「ギョウコウ」

  • 漆芸
  • 2017年発表
  • 高さ17.4 x 幅25.9 x 奥行14.4 cm
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蒔絵箱「暁紅」(ギョウコウ)は 、曙光に照らされた空と海を表現しました。
私の住む輪島市の隣町である能登町の海岸にて、早朝に見た暁の空と水平線のコントラストがとても美しく感じたことが今回の作品のモチーフのきっかけとなりました。

箱の上の面は 朝日に照らされた様々な紅い金色の雲、そして雲間から覗く太陽のシルエットを赤・桃色の螺鈿で表現しました。
箱側面については、上から朝日に薄赤く染まった空、その空に浮かぶ大小の筋雲、そして水平線のラインを白い螺鈿で表し、下へは朝日に照らされた海の輝きを金や螺鈿を使用し、奥から波間、大小の波で海を表現しています。

蓋を開けた状態・身の立ち上がりには千鳥や光琳波を基調に、デザイン化した天空の海をイメージして描いております。

作品鑑賞をして頂き、時に色々な感想を頂くことがあります。人それぞれ様々な捉え方や感じ方こそ健全でありがたいことだと思っております。作者としましては慈しんで頂ける方と想像の自由と余情を分かち合えることを楽しみにしております。

2017年 第64回 日本伝統工芸展 出品

分野 漆芸
発表年 2017
サイズ 高さ17.4 x 幅25.9 x 奥行14.4 cm
材質 金、金と銅の合金、玉虫貝、白蝶貝、顔料
サイン 箱、作品サイン有
備考 箱付き

鬼平 慶司 Keiji Onihira

写真:鬼平 慶司

蒔絵の技法は多岐にわたり 貴重な漆・金粉・螺鈿など さまざまの漆芸材料・技法を駆使して 創作表現をしています。 新しい漆・顔料などが開発されている近年、新しい技術を取り入れ 活かしてこそ 次の伝統に繋がるとの思いを強くしております。 工芸意匠を創作の基本に 作品の世界観や雰囲気を大切にして さまざまなモチーフやテーマを意欲的に制作していきたいと思っています。