蒔絵箱「慈光」
まきえばこ「みひかり」 高さ 8.0 x 幅 10.5 x 奥行 40.2 cm / 2014年鬼平 慶司 (おにひら けいじ)
1973 -- 漆芸
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- 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 4
作品について
蒔絵箱「慈光」(ミヒカリ)は、アオスジアゲハの美しい青い羽根の模様に憧れ 素早く飛ぶ瞬間を捉えた構図に挑戦してみました。昔から魂の生まれ変わりの象徴として描かれる蝶を、また 箱側面には仏様が悟りを開いたといわれている菩提樹の花実を描きました。蝶は玉虫貝を、菩提樹は主に、銀とパラジウムの合金を使用しております。
慈光とは「万物を育成し、世に恵みを与える」また 慈とは「慈しむ事、めぐみぶかい事」を意味します。私事ではありますが この作品制作時に恩人が亡くなり 、皆の元気な毎日を過ごす姿を見守っていてほしい、との思いをこの「慈光」に託しました。
作品詳細
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分野漆芸
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材質漆、 麻布、 玉虫貝、 金粉、 顔料、パラジウムと銀の合金、金
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サイズ高さ 8.0 x 幅 10.5 x 奥行 40.2 cm
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発表年2014
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限定一点物
この作品の技法
乾漆 (かんしつ)
粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。
麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。
蒔絵 (まきえ)
蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。
螺鈿 (らでん)
螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝がらの輝いた部分をうすくして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。螺鈿は、1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見ることができます。
この作品の入選情報
- 第61回 日本伝統工芸展 (2014)
- 入選
