大和玉虫螺鈿蒔絵箱「飛翔」

やまとたまむしらでんまきえはこ「ひしょう」 高さ 6.2 x 幅 7.8 x 奥行 7.8 cm / 2023年
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  • 漆芸
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  • 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 4

作品について

大和玉虫は細長い米型の甲虫で、全体に緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦縞が入る美しい昆虫です。
天敵である鳥は、「色が変わる物」を怖がる性質があるため、この虫が持つ金属光沢は鳥を寄せ付けないと言われています。
エノキやケヤキなどの広葉樹の上を飛びます。警戒心が強く、近づくとぴたりと動きを止め、更に近づくと飛び去ったり、
茂みに落下したりして姿を消します。鞘翅は、死んでも色が変わらないので、法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾として使われています。

昔から大和玉虫の鞘翅を箪笥に入れておくと着物が増える、ということが言われていました。
幸せを呼ぶ玉虫の箱として慈しんで頂ければ嬉しく思います。

作品詳細

  • 分野
    漆芸
  • 材質
    漆、 麻布、 白蝶貝、 アワビ貝、 玉虫貝、 金粉、 銀粉、 プラチナ粉、 顔料、乾漆(一部木胎)、メキシコアワビ、ラピスラズリ、白金、金、銀
  • サイズ
    高さ 6.2 x 幅 7.8 x 奥行 7.8 cm
  • 発表年
    2023
  • 限定
    一点物
  • 桐箱
    付属
  • サイン
    あり(作品、桐箱)

この作品の技法

乾漆 (かんしつ)

粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。
麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。

漆絵 (うるしえ)

色漆を使って絵を描く表現が漆絵です。最も古い時代に生まれた基本的な装飾表現です。

蒔絵 (まきえ)

蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。

螺鈿 (らでん)

螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝がらの輝いた部分をうすくして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。螺鈿は、1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見ることができます。

この作品の入選情報

  • 第63回 石川の伝統工芸展 (2023)
  • 入選
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写真:大和玉虫螺鈿蒔絵箱「飛翔」
大和玉虫螺鈿蒔絵箱「飛翔」 鬼平 慶司
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