砂子風炉先屏風「想い」
すなごふろさきびょうぶ「おもい」長岡 由美子 (ながおか ゆみこ)
1967 -- 砂子
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- 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 2
金銀箔を使用した砂子細工は、平安朝から千年もの間受け継がれてきた日本独自の伝統工芸である。主に絵巻や絵画の補助的装飾として使われてきた。しかし、この脇役であった砂子を主役として用いることで、砂子の表現や技術を高め、作品では、その特徴であるぼかしを生かしながら、伝統技法や箔を様々な形に截る截箔技法(一子相伝)等を駆使し、自然界の優美さを品良く落ち着いた雰囲気で表している。 金箔は、一万分の一ミリという薄さで扱いの難しい素材だが、魅力的で変幻自在である。箔は細かな砂子にすると、その輝きは柔らかく温かみを持つ。そして、降り積もる雪のように幾重にも重なることで、深みが出て奥行きを感じられる。 また、季節の移ろいや時間の流れで光の色・強さが変わると共に箔の表情も変化し、不思議と作品の趣が日々違って感じられる。これは、砂子特有の面白さと美しさだ。 四季を愉しみ、その時々を大切に過ごしていきたい。
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分野砂子
この作品の技法
砂子 (すなご)
砂子とは砂のように細かくした金箔や銀箔などを、竹筒に網を張った振筒で振り掛けて模様を描く伝統技法です。
動物の皮などを加工して作られる膠(にかわ)液を塗った紙の上に砂子を蒔き、和紙で軽く押さえて接着させます。
砂子は平安時代末頃から絵巻物や写経など書物の装飾技法として用いられているといわれ、江戸時代には屏風や襖絵などにも使われてきました。現代でも襖の装飾のほか、お茶席で使う風炉先屏風などの工芸作品にその技法が用いられています。