般若

吹分花器 フキワケカキ

  • 金工
  • 1993年発表
  • 販売済

吹分とは、異なった材質を別々の坩堝で同時に溶解し、それを一つの鋳型に同時、又は交互につぎ込み器物を作る技法である。この花器はふっくらとした貝を思わせる形態に無駄のないすっきりした口作りに黒色の銅と結晶の出た梨地の黄銅を別々の湯口より三回交互に鋳込まれており、近代的感覚にあふれた優作である。

分野 金工
発表年 1993
材質 黒味銅、黄銅
所蔵先 高岡市美術館
展覧会 第40回日本伝統工芸展
受賞 日本工芸会総裁賞

般若 Tamotsu Hannya

写真:般若 保

1977年日本伝統工芸展で文部大臣賞受賞。この初入選、初受賞以来、一貫して吹分技法を追求した作品を制作し続けている。 1993年には日本工芸会総裁賞受賞。黒と梨地色の鮮明なコントラストを表現するため、銅と黄銅を別々の湯口より3回交互に注ぎ込む手法を編み出した。 そしてこの技を確立するため、溶けた金属を注ぎ込む時の鋳型の角度について長年研究した。 近年、吹分と鋳くるみを併用した作品も手がけている。 口作りに工夫を凝らした斬新なデザインが特徴である。