土屋 順紀

紋紗着物「探花」 モンシャキモノ「タンカ」

  • 染織
  • 2019年発表
  • 販売済

「探花」とは中国唐代 科挙の試験で優秀な成績でかつ美しい青年が選ばれて都中から美しい花を探すようにという物語。植物染料の鮮やかで透明感のある色を使いその色をより美しく見ていただけますよう白の効果にも配慮しました。

分野 染織
発表年 2019
材質 生絹(ききぬ/未精錬の絹糸)
経糸-21中4本双糸
緯糸-21中6本駒糸
染料
赤-インド茜
黄-梔子
青-インド藍
緑-インド藍+梔子
展覧会 第66回日本伝統工芸展

  • 絣織

    糸のところどころを白く残して染めた絣糸を使って作られた織物のことで、染めた糸の組み合わせ方によって縞模様や格子模様、絵画のような模様を表現することができます。

人間国宝(重要無形文化財保持者) 土屋 順紀 Yoshinori Tsuchiya

写真:土屋 順紀

紋紗(もんしゃ)の織製では、四枚の綜絖(そうこう)と一枚の振綜(ふるえ)を取り付けた足踏み式の織機を使う。その紋紗は、経糸二本を搦めて紗の地を組織し、続けて平織に変えながら、霰模様、石畳模様などを織り出すものである。 制作は紋紗の他、生絹、紬と多彩である。精錬した熟絹と対照的な生絹は、紗に似た古典的な絹織物で『源氏物語』の「空蝉」にも「生絹なる単衣」とある。使用する糸も未精錬の生糸で、シャリ感のある手触りの良さが生かされている。紋紗に併用される絣は、染め分けた絣の足をずらせたものである。 明るく艶やかな彩りを齎す植物染や、経絣による熨斗目模様風の段々暈しの柄を融合させた作品などは、正倉院宝物や公家装束のイメージとは幾分異なる。蜻蛉の羽のように透き通った生糸の美しさをたたえる作品などは、現代の息吹を感じさせながら、紋紗の未来を語る爽やかな仕事と言えよう。