名倉 鳳山

鐸陵硯「銀雨」 タクリョウケン「ギンウ」

  • 2016年発表
  • 高さ5.4 x 幅18.0 x 奥行25.3 cm
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私は日本人が永い年月をかけて育んできた文化の中に漂う「気」を意匠(デザイン)します。弥生時代に作られた「銅鐸」の整然としたシンメトリーの造形は古代日本人の知性と品格を感じさせます。原石の持つ銀の繊細な線模様が硯縁の繊細なラインを一層際立たせています。

分野
発表年 2016
サイズ 高さ5.4 x 幅18.0 x 奥行25.3 cm
材質 波板石(宮城県)
展覧会 第63回日本伝統工芸展

  • 硯は、筆を使って文字を書くための墨をする用具で、墨をすりながら心を落ち着かせる大切な文房具でもあります。材料の石から硯となる形に大まかに切り出し、長い柄のノミを使って、墨をするたいらな部分や墨がたまるくぼみを彫って形を作ります。完成した形に漆やロウを塗って仕上げます。

    山梨県の雨畑石(粘板岩)や山口県の赤間石(輝緑凝灰岩)、愛知県の鳳来寺石(頁岩、粘板岩)などが代表的な石です。

名倉 鳳山 Hozan Nagura

写真:名倉 鳳山

材料の石には、門谷近くで採れる金鳳石(きんぽうせき)、煙巌石(えんがんせき)、鳳鳴石(ほうめいせき)が使われ、この3種類の石で作られた硯を「鳳来寺硯」と呼んでいます。  先祖から受け継いだ技術の練摩と後進への伝承はもちろん、日本人の精神と美意識を表現する「心の器」として、硯を単なる書の道具はなく美術工芸品へ、さらには唐様式ではない和様式の新しい文化・芸術の領域へと価値を高めるべく、日々制作しております。