深石 美穂 フカイシ ミホ

  • 染織
  • 1949 -
深石 美穂

5,6年前より、市松に絽と花織を配した布づくりに取り組んでおります。
市松花絽織と名付けた布を 初めて織り上げた時に機に向かっている時には気づかなかった
彩の陰影と言うべき立体感が見えてきてその虜になっています。
経縞と横縞の色の交差、平織と絽織の組織の交差によるモザイク状の彩の妙に奥行が表れたのです。
この織布に向かい合っていると 南島の強い光がもたらす物の影の表情の豊かさに思い至ります。当地の風光が知らず知らずのうちに私の嗜好となってこの織布に導いてくれたように思います。
以下はこの技法を用いて織り上げた作品が文化庁長官賞を受けた際の評の抜粋です。
 「熟練した技術と洗練された感性から作り出される優美な色面構成は 
古典的な市松模様を超え、現代性溢れる作品となっている。
沖縄の花織に現代性を組み合わせることにより染織に新たな可能性を感じさせる作品である。」

所属 日本工芸会正会員
  • 1970 武蔵野美術大学中退
  • 1979 みんさー工芸館にて新絹枝氏にみんさー織を習う
  • 1981 首里の故大城志津子先生を訪ね手結絣を学ぶ
  • 1982 石垣市仲筋に工房を作り「からん工房」と名付ける 麻・木綿・芭蕉の草木染絣織のインテリア用品の製作をはじめる
  • 1983 東京新宿・京王百貨店にて個展
  • 1984 横浜・高島屋の一村一品クラフト展に参加
    郡内民芸店からの受注製作を続けるこの時期よりインド藍の栽培・製藍・藍建・ヤエヤマアオキの栽培と染織、貝紫染等はじめる
    八重山博物館にて苧績の講習会受講 宮古島の砂川恵美子さんとの交流により諸績上布の試織
    川平在の糸満トミさんより生繭の座繰を習う、など八重山における染織の可能性を模索
  • 1989 東京渋谷・紅屋民芸店にて二人展
  • 1990 県工芸指導所アドバイザー制度により多和田淑子氏を迎え「花織講習会」を開く
  • 1993 自家製座繰糸を用いた草木染織生繭布の反物を「川平織」と名付けて出荷する
    雑誌「美しいキモノ」の連載「染めと織りと祈り」で立松和平氏の取材を受ける
  • 2000 石垣市立図書館展示ホールにて、「からん工房の仕事展」を開く
  • 2005 京都にて個展「移ろいの絣・深石美穂絣織展」を開催
  • 2009 日本工芸会の正会員に認定される
  • 2013 銀座もとじにて「彩りの陰影を織る 深石美穂展」を開催

  • 1995全日本新人染織展(日本きもの染織工芸会主催)で、織着物「ビーマ柄小袖」佳賞受賞
  • 1996沖展(沖縄タイムズ社主催)初入選
  • 1997沖縄県工芸公募展(沖縄県主催)にて、藍ぼかし駒絽着物「礁湖」最優秀賞受賞
  • 1999西部工芸展(日本工芸会西部支部主催)にて、絣織着物「松風」朝日新聞社銀賞受賞
  • 2001日本伝統工芸染織展(日本工芸会染織部会主催)にて、絣織着物「朝月夜」初入選
  • 2002日本伝統工芸展(日本工芸会主催)にて、絣織着尺「水心雲影」初入選
  • 2003沖展にて、絣織着物「光の海」奨励賞受賞
  • 2005八重山産業まつりにて、沖縄県より商工観光業賞受賞
  • 2006日本伝統工芸染織展にて、絣織着尺「丸紋格子」日本工芸会会長賞受賞
  • 2011日本伝統工芸染織展にて、市松花絽織着物「花霞」文化庁長官賞受賞
  • 2012沖展にて市松花絽織着物「花のワルツ」浦添市長賞受賞
  • 2014沖展にて市松花絽織「潮の道」奨励賞受賞
掲載作品 4