奥窪 聖美

乾漆菊花文玳瑁赤抜硯箱 カンシツキッカモンタイマイアカヌキスズリバコ

  • 漆芸
  • 2000年発表
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脱乾漆胎。内部は懸子と硯の下水板を納める。表は菊の花を赤い布目と鼈甲で表現している。 内側は金平目粉の蒔絵。

分野 漆芸
発表年 2000
取り扱い方法 漆塗膜は紫外線に弱く、鼈甲は高熱により変形するので、室内での使用が望まれる。懸子、硯、水滴、下水板は本体から取り出せる。
備考 箱付き

  • 乾漆

    粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。

    麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。

  • 漆絵

    色漆を使って絵を描く表現が漆絵です。最も古い時代に生まれた基本的な装飾表現です。

奥窪 聖美 Kiyomi Okukubo

写真:奥窪 聖美

ウルシの幹を傷だらけにして得るせっかくの漆液だから、その硬化後の強靱さや深味のある艶など、漆の特性を存分に活かして制作したいと思っている。精緻な石膏型に麻布を貼り重ねて離型するきっぱりした素地制作もするが、縄や氈に漆を染込ませて手捻り整形するものの、後は漆の硬化力に任せて形を暴れさせた作品もつくる。加飾では、大名調度の角赤手箱にヒントを得て、赤い布目が蒔絵や螺鈿と同等の文様として現われる様にと工夫を重ねている。