蒔絵螺鈿箱「月光一路」
まきえらでんばこ「げっこういちろ」 高さ 21.5 x 幅 22.6 x 奥行 15.6 cm / 2019年鬼平 慶司 (おにひら けいじ)
1973 -- 漆芸
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価格帯
¥550,000 - 4,400,000
Info
ギャラリージャパンでの作品の価格は、作家が自ら決めた価格をそのまま掲載しています。
閉じる - 日本工芸会展覧会での受賞回数 : 4
蒔絵の技法は多岐にわたり 貴重な漆・金粉・螺鈿など さまざまの漆芸材料・技法を駆使して 創作表現をしています。 新しい漆・顔料などが開発されている近年、新しい技術を取り入れ 活かしてこそ 次の伝統に繋がるとの思いを強くしております。 工芸意匠を創作の基本に 作品の世界観や雰囲気を大切にして さまざまなモチーフやテーマを意欲的に制作していきたいと思っています。
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「一路」は、一筋に続く道。または 寄り道せず まっすぐに進むこと、ひたすら という意味もあります。 蒔絵螺鈿箱「月光一路」(ゲッコウイチロ) は、甲面には月を、正面は水平線から照らされた月光を一筋に輝く路 に見立てて表現しました。月光の路と漁火、そして路の中には逆光になった舟が影となり 水面の輝きと揺らめきを表現しております。 制作のきっかけは 能登 穴水・七尾湾の静かな夜の海面に照らされた月明りでした。そして思案の中で風景への思いは少しずつ変わり始め、世界中の何処の国の人々でも感じてもらえるような風景、また個々の心象風景を思い描けるように心がけながら意匠を仕上げていきました。 誰にも等しく照らしてくれる光の「路」を一条の光明として、思いを託しました。 私自身も制作を進めながら勇気づけられ、あらためて創作の楽しさを感じた制作となりました。 2019年 第66回日本伝統工芸展出品
作品詳細
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分野漆芸
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材質白蝶貝、 玉虫貝、 顔料、金、乾漆粉
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サイズ高さ 21.5 x 幅 22.6 x 奥行 15.6 cm
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発表年2019
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限定一点物
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桐箱付属
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サインあり(作品、桐箱)
この作品の技法
乾漆 (かんしつ)
粘土で形を作り、その形を石こうで型にします。型に麻布を必要とする厚さに漆で貼り重ねて、型からはずして形を作ります。その後、さらに漆を塗って仕上げます。
麻の繊維は漆がしみこむと強くなるので、丈夫で自由な形を作るのに適しています。
蒔絵 (まきえ)
蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。
平文 (ひょうもん)
金や銀などの金属を、薄い板にのばしてからいろいろな形に切りぬいて模様をつける技法を平文と呼びます。
螺鈿 (らでん)
螺鈿はアワビや夜光貝、白蝶貝などの貝がらの輝いた部分をうすくして使います。「螺」は巻き貝をさし、「鈿」にはかざるという意味があります。螺鈿は、1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見ることができます。
入選情報
- 第66回 日本伝統工芸展 (2019)
- 入選